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2024年海で出会えた生物ランキング

第8位 珊瑚の白化
珊瑚の白化
珊瑚の白化
撮影日:2024年08月17日 撮影者:今川

「やばいよ、やばいよ」って言ってたら、一気に来ました。

今年は7月が終わった時点で、まだ3つしか台風が発生していませんでした。
やがて、水温がグングン上昇し、水面近くが30度を超えるようになってしまいました。
深場から上がって来ると、頬がヒリヒリ焼ける感じ・・・。

で、皆が出川哲朗みたいに口を揃えて言う訳ですよ。「やばいよ、やばいよ」って。
でも、我々にはどうすることもできません。
本当は暖かい方が嬉しいくせに「水温が下がるといいね」とか言ってみたり。
本当は来て欲しくもないくせに「台風来てくれー!」とか言ってみたり。

そんなことを言ってるうちに、ついに、その時は訪れました。
一部のサンゴが白化しだしたと思ったら、その後は一瞬でした。
あれよあれよという間に、真っ白な世界に・・・。

イソギンチャクも白化
イソギンチャクも白化
撮影日:2024年09月17日 撮影者:今川

白化するのはサンゴだけではありません。
イソギンチャクも褐虫藻と共生しているので、白化していきます。

映えるイソギンチャク
映えるイソギンチャク
撮影日:2024年10月19日 撮影者:今川

こちらのイソギンチャクは蛍光イエロー。
心を痛めつつも、今しか撮れない景色を切り取りました。

でもね、我々は知っている訳です。
サンゴが白化しても再生することを。
サンゴが死んで、その上に新しいサンゴが着いて、それを繰り返して浅場の地形が形成されることを。
自分は沖縄で20年以上潜って、珊瑚の白化は何度か経験しています。
でも、その度に復活してくれた。
だから、今回もきっと復活することを信じている。
生物の死は、儚く、悲しいものではあるけれども、これも運命。
自然の大きな営みの一つだと思い、受け止めるしかありません。
いつかまた、奇麗なサンゴが見れる日を夢見て潜り続けましょう。

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