2016年海で出会えた生物ランキング
番外編 珊瑚の白化
この状況は伝えないといけないでしょう。今年はサンゴの白化が深刻でした。
サンゴは褐虫藻という藻類を体に取り込んで、褐虫藻が光合成を行う際に出る栄養分を取り込んでいます。 サンゴの色はこの褐虫藻の色なんですね。
でも、この褐虫藻は高水温に弱く、水温が30度以上の日が続くとサンゴの中から逃げ出してしまいます。 そうなると、サンゴは骨格の色が残り白化してしまうのです。
白化したサンゴには他の藻が付着し、そこから死んでいきます。
サンゴが死ぬと、そのサンゴをホストとしていた魚やエビやカニも棲むところを失う事になり死んでしまいます。 サンゴが死ぬという事は海全体が死ぬという事になるのです。
白化するのはサンゴだけではありません、イソギンチャクも褐虫藻と共生しているので、褐虫藻が居なくなると白化します。
白化したイソギンチャクは見るからに触手が細くなり、元気がなくなったように見えます。
ただ、この白化したイソギンチャクにはクマノミが綺麗に映えるので人気の被写体になったりもして複雑な心境でした。
でも、水温の低下と共に白化したサンゴの一部には褐虫藻が戻り、元の状態に戻っているものも見られます。
場所によっては白化の影響を受けていないポイントもあります。
いつかまた沖縄の海が綺麗なサンゴで埋め尽くされるといいですね。