2009年海で出会えた生物ランキング
第6位 ウミウシいっぱいいやはや、今年はいつも以上に初見のウミウシが多く見られた一年でした。 その中から嬉しかった出会いをいくつか紹介しましょう。
このミナミヒョウモンウミウシはホストのカイメンに見事なまでに擬態しています。
カイメンに合わせた網目模様が何とも言えない質感です。どうしたらこんな模様になるんでしょう?
ウミウシの眼は明るさ程度しか認識できないだろうという事を聞いた事がありますが、どう考えてもちゃんと見えてますよね。
仮に見えてたとしても、それを体の模様にしてしまう能力がすごい!
こうして写真で見るとそれぞれの境界線が分かりますが、肉眼ではもっと分かり辛かったと思います。 触角が見えなかったらスルーしてたかもしれません。 見つけた時はガッツポーズしたのを思い出します。
大浦湾で潜って撮影したこの個体。直ぐにメリベウミウシの仲間ということは分かりました。
メリベウミウシは捕食方法が面白い。
大きな口を投網のようにバフッ!と広げ、その中に入った小動物を丸呑みにします。
この動作を、延々と行なっているので、ずーっと見ていても飽きません。
種小名のmegacerasは鰓突起が超でかいという意味だそうです。メガですからねー。(笑)
記載されたのは1987年。チョー○○という若者言葉が流行る以前から、ゴスライナーがこんな言葉を使ってたなんて、ちょっと笑えます。
今後はギガとか、テラとか名前の付いたウミウシが出てくるのかな?
全身に羽毛を被ったようなウミウシでモコモコしています。
このコが歩いている姿を見ると、ぬいぐるみがヨチヨチ歩きしてるみたいでついつい微笑ましくなってしまいます。
コヤナギ系のウミウシは、背面突起が取れ易いので絶対に触ってはイケマセン。 特にこの種はかなーり敏感です。僅かな接触でもポロポロと突起が脱落してしまい、残念な姿になるので細心の注意が必要です。 いい写真を撮ろうと触ったりしてはダメですよん。
実は、このウミウシ、5年前にも見ています。今回で2度目の出会い。非常に珍しいと思います。
過去に1度だけの出会いというウミウシはたくさん居ます。でも、2回見るという事は、違った意味があると思うのです。
イレギュラーやマグレなどではなく、確実にその生物がそこに根付いているという証なのです。
もちろん、3度、4度と多く見られるに越した事はないのだけど、それだと珍しさが、ねえ・・・。(笑)
2回というビミョーなさじ加減が今川の心を揺さぶってランクインです。
単純にカッコいいウミウシだと思います。
ウミウシは背面の模様が左右シンメトリーのものが多いですが、このコの模様を見て下さい。 無造作に書き殴られたような黒いライン。なーんか無骨で良い味出してると思いませんか? アートっぽくも見えます。 こんなウミウシ・・・好き。
季節限定のウミウシってのは多いです。このウミウシは11月限定です。(笑)
昨年の11月に他のショップさんが見つけたのを知って、ウチも見てみたいなーと思っていました。 それから1年。今年の11月にもセルフダイバーのお友達が見つけて『これ何?』って写真を送ってきて、このコの存在を思い出しました。 そこで、ネットで調べてみたら大瀬崎でも今年の11月に出てるじゃないですか!
今を逃したらもう見れないと思い、捜しに行ったら、はいビンゴ!
それにしても、ウミウシ枯れの11月に良く見つけたねー。
年の瀬も押し迫った12月の30日に見つけました。 ずっとずっと見たかったけど、なかなか見れなかったウミウシです。 苦節5年? いや、もうちょっとかなー?
見つけた時は冷静を装って、お客様に先に撮ってもらったけど、
後で『あのウミウシって珍しいんでしょ? 今川さん真剣だったもんね。』って言われました。(ヤバイ見抜かれてる!)
何はともあれ素直に『嬉しかった!』と言えるウミウシです。