2023年海で出会えた生物ランキング
第2位 フジタウミウシ科の一種
温帯種のウミウシがランクインです。
このウミウシは本州の太平洋側では比較的見られていますが、沖縄での観察は初だと思います。
世界のウミウシではフジタウミウシ属として登録されていますが、ニシキリュウグウウミウシ属とする研究者も居ます。
つまり、それだけ研究が進んでいない(個体数が少ない)のです。
なので、おきなわ図鑑では一つ階級を上げてフジタウミウシ科の一種として扱っています。
今まで出てきたウミウシは分布域が南の方(インドネシアやフィリピン)のものばかりです。
沖縄周辺の海には日本海流(黒潮)という南の方からの流れがあり、この海流に乗って生物が運ばれてくることが考えられています。
でも、温帯域の生物が亜熱帯の沖縄に来るためには、この流れに逆行しないと辿り着くことができません。
実際、黒潮の外側には流れに逆行する小さな渦巻き状の海流がいくつか発生しますが、
これに次々と乗って沖縄に流れ着くのは天文学的な数値の確率になります。
すっごい長旅をしてきたんだねー。
そんなウミウシに会えるなんて奇跡じゃね?