2011年海で出会えた生物ランキング
第10位 ツノナシテッポウエビ
今年の10位はエビちゃん。
海藻を丁寧に織り込んで巣を作り、その中に隠れているツノナシテッポウエビです。
その独特な巣作りから「編み物エビ」という愛称で呼ばれています。
名前の由来は、その名の通り額角がなく、頭がツルンとしている事。引っかかりそうな巣の中をスルスルと移動するのに役立ちそうです。
このエビ、普通に泳いでいると目にする事はありません。前述のように普通は巣の中に隠れているからです。 なので、このエビを観察するには、その巣を壊さなければなりません。(ごめんなさい) そして、その巣から、指示棒などでこのコをそっと出してあげます。 すばしっこく動くエビなので、指示棒を置いてカメラを構えると、またすぐに巣の中に戻ってしまいます。 そんなこんなで、自分一人での撮影は困難。 この写真もお客様と二人三脚でタッグを組んで、今川がサポートしながらお客様に撮影してもらった写真です。
殆どの巣は立体的に巧妙に作られているので、奥に深い構造の巣だと観察するのは難しいと思います。 ところが、ある日、それほど奥行のない巣を作っているこのエビを見つけました。 巣を(できるだけ最小限に)広げて観察。そして、翌日同じ場所に行くと、巣が元通りに修復されていました。さすがは編み物上手。 それ以降、観察する時はできるだけ、そのコに頼っています。(そのコにとってはいい迷惑だろうけど。ごめんね)
エビやカニはホストを触ったり、岩をめくらないと観察できないものが多いので、紹介するのを躊躇してしまいますが、 できるだけダメージを与えないようにしてやれば、こういうものも定期的に観察できるのではないかと思います。