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2009年海で出会えた生物ランキング

第9位 ネオンテンジクダイ
ネオンテンジクダイ Apogon parvulus
ネオンテンジクダイ
撮影日:2009年05月10日 撮影者:今川

沖縄にはセルフダイバーと呼ばれる人達が多く存在します。 休みの日にタンクだけ借りて、気の合う仲間達とゆっくりビーチダイブ。 沖縄は狭い島なので、車でちょっと走れば潜れる所はたくさんある。そういったダイバー達には恵まれた環境だと思う。

当然の事ながら週末にビーチに行くと、そういう人達とすれ違う事になる。 『こんにちは』と挨拶をすると、愛想の良い人達は気さくに返事を返してくれる。 中には『ショップのHPを見ています』と話しかけてきてくれる人も居る。 その中から顔見知りになり、仲良くなる人達もできた。

今川が良くお付き合させてもらっているセルフダイバー達の生物を見つける目はハンパじゃない。 そんじょそこらのガイドも舌を巻くほどだ。 何人かの仲間で集まって潜るのだけど、水中での行動はバラバラ。でも、エキジットの時間になると、皆、申し合わせたようにぞろぞろと上がってくる。 そこで、見た生物の情報交換をし、面白そうな生物が居ると、全員で行って写真を撮るという効率の良い潜り方をしている。

効率が良いと書いたけど、彼(彼女)等も決して楽に生物を見つけている訳ではない。 珍しい生物が居ても、それが何なのか分からなければスルーしてしまうので、常に勉強をしているし、 見たい生物が居ると、それが居そうな場所に出かけて行ってそれこそ朝から晩まで捜している。 沖縄のガイドで休みの日にこんな風に精力的に潜ってる人ってどのくらい居るかなーと思う。

前置きが長くなってしまったけど、そんなメンバーの一人が見つけたネオンテンジクダイ。 興味がなければ見逃してしまうような地味で小さな魚だ。 もし、その時、自分が見つけていたとしても、立ち止まっていたかどうか分からない。 見つけた彼に敬意を表したいと思います。 ちなみに、沖縄本島初観測かもしれないとの事で新聞にも載りました。

しかも、発見された場所が大浦湾。普天間基地の移設で埋め立てが行なわれる予定の場所だ。 この大浦湾、最近になってアオサンゴの群落が発見されたり、珍しいロケットカエルアンコウの生態写真が撮られたりと生物学的にも貴重な場所になっている。 (それ以外にもギンガハゼやマンジュウイシモチも居ると聞いている) 基地が大事なのも分からんでもないけど、こういう生物達の事をお役人の方々は知ってるのかなー?

何はともあれ、目の良い、鼻の効くセルフダイバーの皆さんに感謝しつつ9位にランクインさせて頂きました。

次は8位