2010年海で出会えた生物ランキング

第10位 コユビミドリイシの産卵
Acropora digitifera
コユビミドリイシの産卵
撮影日:2010/06/06 撮影者:今川

 忘れもしない6月6日の晩。今年の珊瑚の産卵は大当たりでした。この写真を見ると、今でもピンクのバンドルが宙に舞う幻想的なシーンが思い出されます。

 『今年は絶対に珊瑚の産卵が見たいです!』と、地元沖縄のお客様からリクエストがありました。 夜はビールタイムと決めているので、もう見に行く事もないだろうと思っていた珊瑚の産卵ですが、リクエストとなれば話は別です。 お客様の為に一肌脱ぐ事にしました。

 まずは、色んな方面から情報収集。大方の産卵予想日を立てました。 予想日と言っても、この段階では「何月何日」というピンポイント予想ではなく、「今月の何週くらい」という大雑把なものです。 珊瑚の産卵というと、夏の大潮の満潮時間帯に、という概念があるのですが、実際には全然違います。 特に、本島ビーチでの産卵予想は難しいものがあるのです。

 次に行なったのが、地道なポイント調査。予想日の数日前に2日間ほど潜ってみました。しかし、全く兆候は見られませんでした。 普通は先走ったサンゴが小規模な産卵を行なったりする場合があるのですが、それがまだ見られません。
 そこで、一旦冷静になって仕切りなおし、闇雲に連日通うのは効率が悪いので、直近のデータや情報から予想日を修正。 そして『この日しかない!』という日を選んでお客様と出かけました。

 当日、エントリーしたのは産卵予定時刻の20分前。産卵予定時刻だって、はっきり言ってヤマカンですから、本当にこの時間でいいのかドキドキです。 しばらく水中を進みますが、全く兆候はありません・・・。
 『今日やらなかったらどうしよう?』 何度もそんな不安が頭を過ぎりました。
 とりあえず、お目当ての珊瑚の場所に行って着底。すると、目の前にピンクの粒がフワフワ・・・? 『あれ?これって卵じゃない?!』 そう思って珊瑚に目を下ろすと、ポツポツと産卵が始まっているじゃありませんか!  その後は、ポツポツからドワァーッ!って感じになり、一気に卵が噴き出してきました! やったー!一斉産卵です! しかも、ドンピシャのタイミング!

 お客様は初チャレンジで、効率良く一斉産卵を見る事ができ大喜びでした。 何回潜っても見れない人も居るのに、本当にラッキーなお客様でした。

 次は9位
このページのトップへ