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一日一種 ダニエライロウミウシ 2021/03/07
いらない何も捨ててしまおう・・・。
断捨離中は LOVE PHANTOM が頭の中でヘビロテします。

ダニエライロウミウシ
ダニエライロウミウシ

写真はダニエライロウミウシ。Thorunna daniellae
この和名を聞いて違和感を感じた人がどのくらい居るだろう?
今川は違和感を感じます。
「種小名が daniellae だからダニエラでいいんじゃない?」という意見はあると思います。今川もそこには触れません。
正式に言うと、このウミウシは「イロウミウシ」ではありません。
イロウミウシでないウミウシにイロウミウシと付いていることに違和感を感じているのです。

ウミウシに限らず生物の分類には科や属といったカテゴリーがあり、近いもの同士がグループとしてまとめられています。
同じグループの中にはタイプ種と言って、そのグループの代表のような存在が決められています。
そのグループ内の他の種は代表の名前に倣って名前を付けていくのが慣例で、例えば、○○モウミウシだったり、△△リュウグウウミウシだったり、□□イボウミウシだったりする訳です。

ダニエライロウミウシはシノビイロウミウシ属であってイロウミウシ属ではありません。(あ、イロウミウシ属は、現在ではシロタエイロウミウシになっています。これも問題ありだけど、世界のウミウシも新版ウミウシも採用しているからここではスルー)
そもそも、○○イロウミウシって和名の付くウミウシがどのくらいいるかというと・・・72種類。(今川調べ)
そのうちイロウミウシ属(シロタエイロウミウシ属)のウミウシが何種かというと5種しかいないのです。
つまり、67種のウミウシはイロウミウシ属ではないのにイロウミウシの名をかたっているのです。

この理由はいくつかあると思うのですが、これらの72種のウミウシが全て、一つ上の階層にあるイロウミウシ科に属しているからというのが一つ。
昔のイロウミウシ属は大きなグループだったけど、研究が進み、属が分かれたものがあります。
アカテンイロウミウシはメレンゲウミウシ属に、キイロウミウシはキイロウミウシ属に移されました。
なので、イロウミウシ科の下には○○イロウミウシという名前の付いた(イロウミウシ属ではない)ウミウシがたくさん居ます。
これは仕方が無いことです。

もう一つは、名前の分かり易さにあると思います。
例えば、
アオウミウシ属のゾウゲイロウミウシは象牙色。
シラユキウミウシ属のエンジイロウミウシは臙脂(えんじ)色。
フチナミイロウミウシ属のサフランイロウミウシはサフランに含まれる色素成分クロシンの黄色。
と、いうように「○○イロ・・・」という名前はそのウミウシをイメージし易いので多用されているという理由があります。

しかし、「名前が分かり易い」のと「名前が付けやすい」のは別です。
ダニエラは人の名前であって色を表すものではありません。
昔からあった○○イロウミウシという名前が別の属に移されるのは歴史を辿る意味でも重要ですが、 新規で名前を付けるものに関しては、現在の属の構成も熟知したうえで名前を決めることが大切だと思います。

単純にダニエラウミウシで良かったんじゃね?
Simple is best!
タグ:生物紹介つぶやき
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